ご挨拶
養殖産業創出と人材育成による持続可能な
水産・海洋都市「函館」の実現に向けて
事業責任者
嵯峨 直恆
一般財団法人 函館国際水産・海洋都市推進機構 推進機構長
北海道大学名誉教授 理学博士
海洋環境の変化に伴い、主要魚種であるイカや天然コンブの不漁が続き、函館の主要産業である水産業や観光業への影響が懸念されています。
このような状況を打破するため、寒冷環境及び北海道大学水産学部・北海道立工業技術センターの存在などの地域の優位性を活かした研究開発と人材育成によるイノベーションを起こして地域活性化を図るため、函館市を事業主体として令和4年度の内閣府「地方大学・地域産業創生交付金事業」に申請し、全国で唯一、対象事業に採択されました。
この事業では、キングサーモンとマコンブの完全養殖の研究開発、さらには先駆的な取り組みとして、魚類養殖により排出されるCO2を海藻養殖により吸収する地域カーボンニュートラル(RCN)による水産増殖研究を推進し、地域で養殖産業群を形成します。その現場での実践的な教育研究により企業と若者を集め地域に定着させることで、持続可能な水産・海洋都市の実現を目指しています。
私どもは、この事業を「函館マリカルチャープロジェクト」と名付けました。通称は「マリカルプロジェクト」。「マリカル」はマリカルチャー(海域における養殖)の略であり、函館地域で養殖産業を興すことを通じて函館に新たな水産・海洋に関する文化(カルチャー)も築きたいとの思いを込めた、函館の未来を創る「まちづくり」「ひとづくり」のプロジェクトです。
産学官のみならず市民の皆様のお力もお借りしつつ、地域の力を合わせて本プロジェクトを成功させるよう、精一杯取り組んでまいります。
【Profile】 嵯峨 直恆( さが なおつね )
1990.10 ~ 2001.3 | 東海大学海洋学部教授 |
2001.4 ~ 2005.3 | 北海道大学大学院水産科学研究科教授 |
2005.4 ~ 2014.3 | 北海道大学大学院水産科学研究院教授 |
2010.4 ~ 2014.3 | 北海道大学大学院水産科学研究院長・水産科学院長・水産学部長 |
2014.4 ~ 2017.6 | 弘前大学食料科学研究所(現:地域戦略研究所)教授・所長 |
2017.7 ~ | 一般財団法人 函館国際水産・海洋都市推進機構 推進機構長 |
現在に至る |